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条件に当てはまる人は、年間で4万円以上安くなる可能性があります。

菅義偉官房長官の「携帯電話料金は4割程度、値下げできる余地があるのではないか」という発言は、各所に大きな波紋を広げました。
大手携帯電話事業者(NTTドコモ、au、ソフトバンク)の通信料金を指しての発言ですが、それはともかく、携帯電話代が安くなればいいに越したことはありません。
そこで改めて検討したいのが、ご存じ「格安SIMサービス」(格安SIMカードが入っていて割安料金で利用できる通信サービス)への乗り換えです。

そもそも格安SIMはなぜ安いのでしょうか。
簡単に説明すると、大手キャリアの回線を借りてサービスを提供しているためです。通信設備を自社で用意する必要がないMVNO(いわゆる格安SIMの提供事業者)は、そういった設備投資に費用がかからない分、低料金のプランを提供できます。

では、大手キャリアから格安SIMへの乗り換えで、利用者はどれぐらい通信料を節約できるのでしょうか。改めて整理してみましょう。以下の3つにすべて当てはまる人は年4万円以上節約できる可能性があります。

たとえば、以下の項目にすべて当てはまる人は、年間で4万円以上安くなる可能性があります(文中の記事はすべて税込み)。

[1] 毎月のスマホ料金が6500円超
[2] 毎月の通話時間(070や080や090から始まる番号を使用)は10分以内で済む
[3] 月々の使用データ容量が3GB程度

まず[1]ですが、MMD研究所の調査によると、大手キャリアで契約しているユーザーの月々のスマホ料金の平均は6483円(2018年6月時点)。それに対し、格安SIMユーザーの平均は2512円。この差は毎月3971円にものぼります。

また[2]については、LINEやSkype、また050の番号が振り当てられたIP電話でやりとりを済ませる人が増え、最近は音声通話が短時間で済む人も多くなっています。

[3]について、NTTコムリサーチの調査によるとスマホ利用者の約90.6%の人が、3GB未満の通信料しか使用していないという結果も過去には出ており、ほとんどの人にとって3GB以上のプランは必要ないことがわかります。

では上記の条件に当てはまる人が、どうやったら年4万円以上安くなるのか、具体的に見ていきます。以下の6つのポイントが参考になるはずです。


【ポイント1】いま所持しているスマホで年4万円以上節約する

たとえば、ドコモの回線を利用している「DTI SIM」では、3GBの音声プランが毎月1609円。毎月886円で10分以内の国内通話料が無料になる「おとくコール10」をオプションで付けても、毎月2495円で利用できます。スマホ料金に毎月6500円近く使っている人は、諸費用を除いた単純計算で毎月約4005円の節約になります。

つまり格安SIMへ乗り換えれば、人によっては4005円/月×12ヵ月で1年間に4万8060円以上の節約になります。

持っているiPhoneにSIMカードを差し替えて利用する

乗り換えに際しては、新しく格安SIMを契約するからといって、新たに端末を購入する必要もありません。基本的には、現在お手持ちのiPhoneもしくはAndroidスマホのまま、SIMカードだけをもらって、差し替えて利用することができます。ただし、古い型のスマホの場合対応していないケースもあるため、事前に格安SIMを提供している会社HPの「動作確認端末一覧」を確認しておきましょう。


【ポイント2】移行前のSIMロック解除は無料オンライン手続きで

大手キャリアで契約したスマホには、各社ごとにSIMロックがかけられています(特定のSIMカードを差し込んだときだけ動作するように機能が制限されていること)。

たとえば、先ほど紹介したDTI SIMはドコモの回線を利用しているため、ドコモユーザーであればSIMロック解除なしで利用できます。しかしauやソフトバンクユーザーの場合、SIMロック解除を行わなければ利用できません。逆にUQ mobileのようにauの回線を利用している格安SIMでは、auユーザーであればSIMロック解除なしで利用できますが、ドコモとソフトバンクユーザーはSIMロック解除を行う必要があります。

解除の方法は、主に2つです。各大手キャリアのHP上から行うオンライン手続きと、現在契約しているキャリアの店舗に直接持っていく方法です。注意しておきたいのが、オンライン手続きは無料ですが、直接店舗に持っていくと解除手数料3240円がかかるということ。少しでも費用を抑えたいなら、オンライン手続きを選択しましょう。


【ポイント3】スマホの分割支払金が残る場合はよく考える

総務省が2018年6月6日に行った「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」では、大手キャリアに向けて「2年縛りによる違約金をなくす」よう要請し、話題になりました。大手キャリアには、自動更新を伴う2年間の契約期間が定められており、わずか実質2カ月間しか、違約金不要の期間が存在しません。この期間に変更が望ましいことはいうまでもありません。

また違約金不要の期間でなくとも、ドコモで契約している場合、違約金の1万0260円と、MNP転出手数料の2160円、さらに格安SIMを契約する際にかかる契約事務手数料の3240円を支払って乗り換えることは可能です。

乗り換えでかえって高くなったら元も子もない

ただしスマホの分割支払金が残っている場合、解約したからといって代金を一括で請求されることはないものの、支払い完了まで継続して分割で支払っていく必要があります。特に大手キャリアでは新しくスマホを購入する場合、月の利用料金から一定額を割引するサービスを実施しています。

たとえば、ドコモで「iPhone X(64GB)」に機種変更し、機種代金を24回分割払いする場合、毎月2376円の割引(最大24カ月分)が適用されるため、実質の分割支払金は月々2835円(=5211円-2376円)です。分割支払金が残っている状態で解約してしまうと、毎月の割引が適用されなくなるため、残りの期間は、割引前の5211円を毎月支払っていく必要があります。

となると、格安SIMに変更した場合でも、月々のスマホ料金は分割支払金と合わせて8000円近くになります。それでも現在のスマホ料金より安くなる場合は、格安SIM乗り換えへの検討余地ありですが、逆に高くなってしまうようなら、分割支払金を払い終えるまで現在のキャリアを利用するほうが得策と言えるでしょう。


【ポイント4】限定される支払い方法は「乗り換えの落とし穴」

格安SIMは店頭での契約はもちろん、ネットからも契約することができますが、その際の支払い方法はほとんどがクレジットカードに限定されています。ただし、現在は口座振替に対応する格安SIMも増えてきており、前述したDTI SIMや、楽天モバイル、UQモバイル、mineoなども対応しています。

注意しておきたいのが、デビットカードは使用できないケースがほとんどだということ。楽天モバイルのように、楽天銀行デビットカードとスルガ銀行デビットカードのみ使用できるといった条件付きで使用できる場合もありますが、基本的にはクレジットカードでの支払い、もしくは口座振替で支払う必要があります。

格安SIMによってはクレジットカードしか対応していないこともあるため、格安SIM選びではそもそも各会社がどういった支払い方法に対応しているのか、確認しておいたほうがよさそうです。


【ポイント5】「MNPの引き止めポイント」に惑わされるな

総務省は2018年6月6日に、MNPのガイドライン改正案を公開しました。改正案の中には、店頭や電話でMNPの手続きをする場合、転出したいユーザーを引き留める機会になるため「Webサイトでの手続きも行えるようにする」と、今後の対策を示しました。

実際、大手キャリアではドコモのみがweb上からMNPの転出手続きを行うことができますが、auとソフトバンクに関しては電話と店頭でしか手続きを行うことができません(2018年8月末時点)。大手キャリアに電話でMNPの転出手続きを行うと「他社に乗り換えないのであれば、機種変更時の端末代に充てることができる1万円分のポイントを付与します」といった、乗り換えを引き留める案内が行われることがあります。

ただ冒頭で、「格安SIMに乗り換える場合、人によっては月々のスマホ料金が毎月4005円安くなる可能性がある」と述べたとおり、ポイントうんぬんの話は乗り換えによって早い段階で取り返すことができる可能性が高そうです。

MNPの転入手続きが簡単に

【ポイント6】ネット経由で申し込んでも不便な期間はほとんどない

以前まで、店頭ではなくネットからの申し込みで格安SIMに乗り換える際、不通期間が存在するケースがありました。通常、現在契約しているキャリアでMNPの予約番号を取得後、ネットから格安SIMの申し込みを行い、SIMカードが手元に届くまで数日を要します。この際、SIMカードが発送される前にMNPの転入手続きが行われると、自動的にこれまで契約していたキャリアでは解約処理が行われてしまうため、新しいSIMカードが届くまでの間、不通期間が発生していたのです。

しかし現在は、ネットからの申し込みでも、申込者のタイミングでMNPの転入手続きができるようになりました。たとえば、格安SIMを提供するIIJmioは、2015年9月9日に「不通期間を解消する新しいMNP転入方法導入のお知らせ」を発表し、「おうちでナンバーポータビリティ」という任意のタイミングでMNPの転入手続きを行える機能の提供を開始しました。つまり、ネットからの申し込みであっても、SIMカードが到着するまでは元のSIMカードを利用してデータ通信を行う。新しいSIMカードが手元に届いたら、電話もしくはネット上でMNPの転入手続きを行い、約15分程度待つだけですぐにデータ通信を利用することができるのです。

最後に、節約と聞くと、食費や電気代などの変動費を抑えることに目が行きがちですが、こういった「意志の力」を必要とする節約は長続きしません。しかし、通信料などの固定費は、最初に手続きさえ済ませてしまえば、継続して節約していくことが可能です。大手キャリアユーザーの方は、手始めに通信料を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。